キミの愛情120%
たまに、学ランの裾が腕に触れる。
背中越しに可愛らしい女の子の話し声と、丁寧に一つずつ相槌を打つ男の声が聞こえてきて、なんだかくらくらした。
「岸本さんと付き合えるとか羨ましい〜!」
「近くで見るとマジ可愛い……」
長谷部くんの友達は無遠慮にじろじろ見てくる。
リナが可愛いのは当然だけど、こういうときは謙虚なのがいい彼女だよね?
とりあえず何も言わず、ちょっと恥ずかしそうにニコニコ笑っておく。
「ムカつくから早くフラれちまえ」
「うるせーよ」
そう言いながら長谷部くんはニヤニヤしている。友達に羨ましがられて嬉しいのかな。
「あ、そういえば長谷部、今度さ〜……」
すると、長谷部くんの友達がリナと全く関係ない話題を始めた。
それに長谷部くんも乗っかって、リナ以外の男子でそのまま盛り上がり始める。
「……………」
……え、リナのことこのまま放置するの?
いまリナと、しかも初めて一緒に帰ってるんだよね?