キミの愛情120%


「次はどうする?」


午後13時過ぎ、カフェを出て長谷部くんにそう問いかけられた。

次かぁ……。さっき音楽が好きって知れたし、この調子で行けばなんとかなるかな?


「うーんと、まだこの辺のお店見てもいーい?」

「うん。あ、俺、ちょっとトイレ行ってくるね」

「あ、うん」


長谷部くんがトイレを探しに歩いていく。

近くのベンチに座って待っていようと腰掛けると、緊張から解放されてどっと疲れがきた。


ま、まだ13時かぁ……。

しんどい、正直とてもしんどい。

なんでこんなに疲れるんだろう。ずっと気張ってるからかな?常に頭フル回転で、休まる時間がないよぉ……。

なんか懐かしいな、この感じ。

なんだっけ。あ、そうだ。中学の頃、同じグループの女子たちと一緒にいたときの息苦しさだ。

嫌われないように気を遣って、空気を読んで、必死にニコニコ笑ってたあの時の…‥。


思い出したくない記憶が脳裏をかすめて、首を振る。

そして不意に視線を向けた先に、見覚えのある茶髪頭が見えて目を見開いた。

……あれは……。



「あ。これ可愛い〜。ね、諒、ココ見よ〜」

「ん。いーよ」



ーー松原諒!?

ヤツは目の前の雑貨屋さんの前を綺麗な女性と親しげに腕を組んで歩いている。

慌てて顔を下にして、スマホを触るフリをした。さ、最近遭遇率高くない!?なんなの!?


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