キミの愛情120%
*
その後、長谷部くんとショッピングモールを歩いて回ったけど、やっぱり大して会話は弾まないまま15時になった。
「次、どこ行く?」
今日何度目になるかわからない問いかけをされる。道中気を遣いまくってすでに疲労困憊だったけど、もう一つ残っていた行きたい場所を思い出してハッとした。
「あのね!この近くにすっごく美味しそうなドーナツ屋さんがあるんだよ」
つい最近新しく出来たドーナツ専門店だ。スイーツ系からご飯系まで種類が豊富でどれもすごく美味しいらしい。
「へえー、いいね。行こう」
やったあ!
ウキウキでショッピングモールを出て、その間は好きなスイーツの話でそこそこ会話が続いたから、この微妙につまらないデートを挽回できるかもと思った、のに。
「……“臨時休業”…………」
お店に貼られた無慈悲な紙切れを前に、呆然と立ち尽くした。
マジか。もしかして神様、リナのこと嫌い?