キミの愛情120%






その後、長谷部くんとショッピングモールを歩いて回ったけど、やっぱり大して会話は弾まないまま15時になった。


「次、どこ行く?」


今日何度目になるかわからない問いかけをされる。道中気を遣いまくってすでに疲労困憊だったけど、もう一つ残っていた行きたい場所を思い出してハッとした。


「あのね!この近くにすっごく美味しそうなドーナツ屋さんがあるんだよ」


つい最近新しく出来たドーナツ専門店だ。スイーツ系からご飯系まで種類が豊富でどれもすごく美味しいらしい。


「へえー、いいね。行こう」


やったあ!

ウキウキでショッピングモールを出て、その間は好きなスイーツの話でそこそこ会話が続いたから、この微妙につまらないデートを挽回できるかもと思った、のに。



「……“臨時休業”…………」


お店に貼られた無慈悲な紙切れを前に、呆然と立ち尽くした。


マジか。もしかして神様、リナのこと嫌い?



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