キミの愛情120%
「あはは〜……。店長と従業員みんなインフルエンザ感染だって。フツーに心配だね〜……」
笑ってこのなんとも言えない気まずさを誤魔化そうとするけど、長谷部くんは乗っかってくれるでもなく、長いため息をついた。
「んー。まあ、仕方ないよ。次、どこ行く?」
「……………」
そこで、リナの中の何かがぷつんと切れた。
「………長谷部くんは?」
「え?」
「行きたいところないの?」
「うーん、無いかな」
「何で無いの?」
食い気味に返すと、長谷部くんは「え」と面食らった顔をした。「え」はこっちだよ。
どこに行くか、何をするか、決めるのは全部リナ。
確かにさ、誘ったのはリナだよ?
でも違うじゃん。付き合ってるんじゃんリナたち。
なんでリナばっかり頑張ってるの?
「長谷部くんからも、なんか提案してよ。『なんでもいい』は『どうでもいい』と一緒だよ」
言っちゃった。ついに言っちゃった。
でもこうやって伝えたら、わかってくれるかもしれないしー……。