キミの愛情120%
「……なに笑ってんですか」
「ううん……ふ、あはははは……。里菜ちゃん、ふくれっ面も可愛いね」
「……うざーい。早く食べてくださーい」
じゃあこの半分もらうね、と言っていまだに肩を震わせながら先輩がフォークでチーズケーキを切り分ける。
無意識のうちに膨らませてしまっていた頬をなおして、リナも残った半分のケーキを食べ始める。
「……おいしい。ありがとね、里菜ちゃん」
おんなじケーキを食べながら、先輩がそう言ってやわらかく微笑む。
その笑顔がなぜか直視できず、目をそらした。
素直に心配してあげられない意地っ張りな自分が、なんだか今更気恥ずかしくなってきた。
チーズケーキの甘酸っぱい味が舌に広がる。
「里菜ちゃん、このあと時間ある?」
「……あります、けど」
まったく予定外なことに、このあとはガラ空きだ。