キミの愛情120%
デートのはじまりから最後まで、あらましを洗いざらい話してみた。
一通り聞いた先輩は、「率直な感想言っていい?」と前置きして言った。
「彼氏、腹立つ男だね」
「や、やっぱりそう思います!?」
「うん。だって里菜ちゃんは彼氏に楽しんでもらおうと思って色々準備してきたわけでしょ?それに感謝もせずに、ワガママ扱いはひどいと思うよ~」
「そう、そう、そうなんですよお……」
さすが校内イチの女タラシだ。リナの言いたいことぜんぶ言ってくれた。女の子の愚痴を聞く才能がある。
「……結局、長谷部くんも、別にリナのことなんか好きじゃなかったってことだと思います」
長谷部くんは、リナのことが『好き』だと言ってくれたわけじゃない。
リナもそうだ。『彼氏になりたい』と言ってくれたからOKしただけ。お互い様。
長谷部くんの気持ちははっきりわからないけど、リナにあんまり興味なさそうだった。
だからリナとやりたいことも、行きたいところもない。ぜんぶリナ任せ。
当然といえば当然の結果かもしれない。