キミの愛情120%
┗ “ きらめく瞳を見た日 ”
それは、約二か月前のこと。
マルが汐見先輩に告白されて、なんやかんやあった末、『お付き合いを前提としたお友達』とかいうおかしな関係になったばかりのころだ。
あの頃マルは二年の女子たちから目をつけられていて、実際屋上に呼びつけられてメンチ切られたり、頭の上にバケツひっくり返されてびしょ濡れになったりと結構散々やられていた。
まあ、マルはメンタル激強女だから、あんまり深刻なことにならなかったのが不幸中の幸いだ。
でも、実は二年の女子がやっていたのはそれだけじゃなくて……。
『……あいつ、何回忠告しても全然聞かないんだけど!』
『昨日も汐見くんと帰ってるの見たって子がいた』
『口で言ってもわかんないんでしょ。ねえ、じゃあさ……』
テスト前の放課後のある日。
マルが汐見先輩と自習室に行っちゃって、一人で帰って勉強する気になれずに(チョコちゃんはさっさと帰った)、少し遠回りして昇降口へ向かっていたら、偶然廊下でそんな声が聞こえてきた。