キミの愛情120%
『けど、別の意味でも意外だった。正義感強そうなマルちゃんはともかく、里菜ちゃんが友達のためにあそこまでキレてるのがさ』
『……まるでリナが冷たい人間みたいに言わないでくださいよ』
『いやいや、そうじゃなくて。なんていうかキミたち三人てさ、ほどよい距離感って感じがするんだよね。あんまり仲良しこよししてなくて……んー、例えるなら、一匹狼たちがたまたま一緒にいる感じ?』
先輩の例えはあながち間違いじゃない。一匹狼というと恰好いいけど、実際は群れからはじかれた狼たちの集まりだ。マルもチョコちゃんも、もちろんリナも。
『まあ、実際そんな感じですよ。中学の頃からマルは正義感が強くって、クラスで起こったいじめを糾弾したりしてクラスから浮いてて……。チョコちゃんもあんな感じなんで、女子からはだいたい反感持たれて、男子からも遠巻きにされて』
『あはは……。なんか想像できるかも』
『リナも……リナは、今よりもっと下手でした。色々。周りの空気読もうとして失敗して、でも一人になるのが怖いからって流されてばっかりで。ぶりっ子って言われて、女子から嫌われて……』
中学時代は、黒歴史だ。
全然楽しくなかった。クラスの女子たちの輪にもなじめなかった。
――マルと、チョコちゃんに出会うまでは。