キミの愛情120%


隣のクラスに行って、ドアの近くにいた男子に声をかけてみる。

「ねえ、長谷部くんいる?」

「長谷部? あー……いや、いないみたい。今日は四階の屋上前階段で飯食うって言ってた気がする。行ってみたら?」

「そうなんだ。ありがとう」



教えてもらった通り四階へ行き、屋上前階段へ向かっていたら。


「だからさ、なんか違ったんだよなー。岸本さん」


向かう先から聞こえてきた声に、ピタっと足が止まった。

え。リナの話してる……?


「え、何がダメだったん? デートしたんだろ?」

「そうなんだけどさ。なんか案外会話続かねーし、無理して俺としゃべってくれてる感じがして……ちょっと気後れしちゃったというか」

「あー。まあ、はじめはそんなもんじゃね? 俺も彼女と最初のデートはそんなもんだったけど」

「え……で、でもさあ。最後はなんか、いきなりキレはじめてさ。『行きたいとこないの?』って聞かれて『ない』って答えたら『なんで無いの?』って……」

「はあ? そりゃお前、キレるのあたりまえ……」

「――――長谷部くん!!」


それ以上聞いてられなくて、階段を駆け上がって会話に突入した。

長谷部くんは友だちと二人でご飯を食べていて、いきなり現れたリナに面食らっている。


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