キミの愛情120%
「……リナもね、悪かったの。彼氏が欲しいからって、何も考えず飛びついちゃったから」
「それは、俺が……」
「それにね。たとえネットの指示でリナの行きたいところに付き合ってくれたんだとしても、長谷部くんはデート中一度もリナに、リナ自身のことを質問しなかったの。気づいてる?」
「あ…………」
長谷部くんは今気づいたというようにハッとした顔をした。
結局お互い、彼氏彼女が欲しかっただけなんだよね。
「……ごめん。俺……」
リナの言いたいことをようやく理解してくれたみたいだ。
すっきりして立ち上がると、スーパーウルトラ美少女天使リナちゃんモードに切り替えて、にっこり笑いかけた。
「でもね、一緒に花壇掃除してくれたのは本当に嬉しかったよ。ありがとう!」
「……!」
長谷部くんの顔がなぜか赤く染まった。
リナを見つめる目が心なしかハートマークになった気がしなくもないけど、たぶん気のせいだろう。うん。
「短い間だったけど、ありがとね。じゃあね~!」
やってきたときと同じ、極めて軽い足取りでその場をあとにした。
*
「う……ひっく、ひっく」
その後。なぜかリナは校舎裏の外階段でひとり泣いていた。