キミの愛情120%
「……問題、あるとすれば、リナが先輩のこと大っ嫌いってことですかね」
涙で視界がにじむ。でも泣きたくなくて、必死に我慢した。
それでも目の前の男は、ドロドロに溶けた甘ったるいチョコレートみたいな、それでいてどこか意地悪な声で当然のように言うのだ。
「なら、問題ないね?」
大嫌い。大嫌い。ほんとに……だいっきらい。
「……クリスマスだけです。とことん利用してやりますから」
「あはは。いいねー今の里菜ちゃん。なつかない猫って感じで」
「どうせ普段は猫被ってますよ!」
「その被ってる猫ごと可愛いから大丈夫だよ」
なにが大丈夫だクズ野郎。オメーには二度とスーパーウルトラ天使リナちゃんを拝ませてやらないからな。
誠に遺憾。不本意ながら、まっったく予定外にも。
今年のクリスマスの相手が決まってしまった。
―――12月24日は、もう目の前だ。