キミの愛情120%


「こことか美味しそうだなーと思ってて。あとはこことか。雰囲気よくない? 色々メニューありそうだし。里菜ちゃん食べられないものとかある?」

「……先輩のアルバム、お店の写真ばっかりですね」


先輩がアルバムをスクロールして候補のお店の外観写真やグルメサイトのスクショを見せてくれるけど、リナはそれよりアルバム自体が気になってしまった。


「え? ああ、うん。誰かと遊びに行くときのために集めてんの。一人で街歩いてるときとか、SNS見てるときとかに撮るようにしてる」


先輩が「そろそろまた整理しないとな~」と言いながら何気なくアルバムをスクロールしていく。

次から次へとカフェやレストラン、娯楽施設の外観写真やSNSのスクリーンショットばかりが出てきてびっくりした。


「……す、すごいですね」

「ん~、そう? ……里菜ちゃん相手だから言うけど、『あの子が好きそうな店があるな』とか『この子と今度行こう』みたいにメモ代わりに使ってんだよね。里菜ちゃんから言わせたら、気の多いクズ野郎の行いだろうけど」

「いや、これは……逆でしょ」

「え?」


この人は、一緒にいる女の子の好みをよく知ってる。そして、女の子を喜ばせるための気遣いをたくさんしてるんだ。


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