リフレインが聴こえない
「えっと……。絶対に、蒼くんには言わないって、約束してくれる?」
「ああ、絶対に、言わない」

 うなずいた大神くんに、わたしはあたりを見回してから、仕方なく説明をした。

「蒼くんから、人前で歌わないでって言われていたから……。この曲は、蒼くんが作ったオリジナルのラブソングなの……」

 そういって、上目づかいで大神くんの様子をうかがう。

「蒼が作った、オリジナルのラブソング?」

 聞き返されて、こっくりとうなずいた。

 わたしは、事情を伝えたほうが黙ってもらえそうな気がしたので、続けて言った。

「わたし、この歌を歌う声に惹かれて、蒼くんに声をかけたの。それが、付き合うきっかけ」
「へえ、そうなんだ……。歌う蒼に……」

 驚いたような、大神くんの表情。
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