リフレインが聴こえない
波乱の幕があがる
 体育祭当日となる土曜日。
 晴天に恵まれた。

 当日になって気がつく困ったことは、蒼くんとわたしのクラスが違うこと。
 一組のわたしと二組の蒼くんは、奇数と偶数で、紅組と白組に分かれてしまった。
 頭をかかえて、蒼くんが叫ぶ。

「あ~! 色が違うから、騎馬戦とか菜花ちゃんに応援してもらえないじゃないか!」
「うん。そうだよね。紅組のわたしは、白組の応援ができないよね。でも、個人的に、心の中で応援するから、がんばってね」

 わたしは蒼くんに、苦笑いを浮かべた。

 紅組と白組は、それぞれ長いハチマキをすることになっている。
 女子はヘアバントのように巻いている子が多いが、きりりとひたいに巻いた蒼くんは、もうそれだけでカッコイイ。

「それじゃあ、菜花ちゃん。またあとでね。応援よろしく」

 そう言うと、蒼くんは、生徒会員が集まっている朝礼台の向こう側へ走っていく。
 わたしも、自分のクラスの指定席へ向かった。
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