リフレインが聴こえない
 あなた――わたしを、好きなひと?

 わたしが、好きなひと、ではなくて?
 わたしを好きなひと?


 混乱して、立ち止まったまま固まってしまったわたしだけれど。
 そのとき、放送部の女子の声が聞こえた。

『情報がはいってまいりました! 最後に拾われた紙には、あなたを好きなひと、とのお題だそうです! さあ、誰が名乗りをあげるでしょうか』

 とたんに、グラウンド全体がざわめいた。
 ひゅーぅと口笛を鳴らす男子までいる。
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