リフレインが聴こえない
 放送席の女子の横に立つ、縦ロール一花。
 彼女は、わたしの視線に気づいたのか、にやりとした笑みを浮かべてみせた。

 ああ、やっぱり!
 この紙を仕組んだ彼女が、放送部の女子に言わせたんだ。

 やだ。
 このお題は、いやがらせだ。

 でも、この窮地を助けてくれるのは、蒼くんだけ。
 だって、付き合っていることを公にしているんだから。
 恥ずかしいだなんて、言っていられない。

 そう思って、わたしは助けてもらうべく、生徒会席にいるであろう蒼くんのほうを見た。

 すると、蒼くんは、三姉妹の真ん中、双葉に腕を引っ張られているではないか。

 どういうこと?
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