リフレインが聴こえない
「菜花ちゃん! お誕生日おめでとう!」

 そう言って飛びこんできた蒼くんは、わたしのそばに、シュタッ!と着地する。
 そして、手のひらに乗せたプレゼントを、わたしの前にうやうやしく差しだした。

 小さくて、ファンシーな紙袋だ。

「ほら、菜花ちゃん、開けて開けて」

 蒼くんにせかされて、わたしは手に取る。
 そして、クラスの女子のうらやましそうな注目をあびながら、おそるおそる袋の口を開けた。

 中には、黄色の可愛い花がついた、ヘアピンがふたつ。
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