リフレインが聴こえない
 二階の自分の部屋で、着替えるのも面倒で、ベッドの上に寝転がった。

 わたしは蒼くんに、本当に恋愛的な感情を持っているのだろうか?
 カッコイイ蒼くんと目が合って、ドキッとすることもたしかなのに。

 ――見つめられて恥ずかしかったり、彼をカッコイイと見とれたりするけれど。
 わたしは、蒼くんに対して、恋愛的なときめきを感じているだろうか……?



 そのとき、家の前で、自転車がとまる音がした。

「――あれ? 自転車の音……。蒼くんが戻ってきたんだろうか」

 ベッドから起きあがって、わたしは窓のカーテンを少し寄せる。
 家の前には、自転車に乗ったまま、二階を見あげる大神くんがいた。
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