リフレインが聴こえない
「え? どうして……」

 呆気にとられて眺めていたけれど、ハッと気がついて、部屋を飛びだした。
 階段をかけおりて、玄関から外へ走りでる。

 そんなわたしの様子を、薄っすらとした笑みを浮かべながら、大神くんが待っていた。

「お、大神くん、どうしたの? なにかあったの?」

 勢いこんで、わたしは聞く。
 大神くんは、そんなわたしの目の前に、片手を突きだした。
 その手ににぎられていたのは、猫のキーホルダー。

「――これって!」

 わたしは、ぱあっと顔が輝いた。
 知らず知らず、嬉しさがこみあげてくる。

「あのとき、ほしかったUFOキャッチャーの景品……!」
「おまえ、ほしそうに見ていただろ? それに、持っているハンカチも同じ猫のキャラクターだったから、集めているかと思って」
「なんで……」
「ああ、その、誕生日プレゼントだ」

 わたしは、顔を赤らめた大神くんを、不思議な気持ちで見つめた。
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