リフレインが聴こえない
「なんで、誕生日プレゼントをくれるの?」
「なんでって……」

 口ごもる、大神くん。

「ああ、それは、言わなきゃ伝わらないから言うけれど。その――なんだか、目で追ってしまうんだ。おまえのこと」
「わたしが蒼くんにとってトラブルのもとになりそうだから、まだ、わたしを警戒しているってこと?」
「違う。そうじゃなくて……」

 大神くんは横を向いて、わたしから視線を外す。
 その横顔をみて――わたしは知る。

 普段は眼鏡でわからないけれど。
 大神くん、まつげが長い……。
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