リフレインが聴こえない
 思わず目を見開いて、わたしは美来ちゃんの顔を見ていた。
 美来ちゃんは、そんなわたしに、にっこりと笑った。

「だって、わたし、菜花ちゃんと同じ、女の子だもの」



「おにぃが、なんの目的で強引に菜花ちゃんに近づくのかなぁって、考えていたんだけれど。やっぱり、瑛太に競争意識があるんじゃないかなぁって思うの。おにぃが、妙に瑛太にばかり見せつけている気がして」
「どういうこと? その、彼女がいない大神くんよりも、先に彼女ができたっていう、優越感、勝利感とか……? その相手に、転校したてのわたしがちょうどよかった、から……?」
「う~ん。もうちょっと別の理由が、ある気がするんだけれど……」

 わたしと美来ちゃんは、そんなことを考えながら歩いていたら。
 目の前に、背の高い高校生くらいの男の子たちが、立ちふさがった。
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