リフレインが聴こえない
「あー。教えてくれない感じ? まあ、たしかめるだけだけどねー」

 そう言って、リーダーは立ちあがりながら携帯を取りだす。

「ああ、双葉? これどっちが菜花ちゃんよ? ふたりともヘアピンしてんじゃん」

 双葉! ファンクラブ三姉妹の双葉!

 彼女の企みなんだ。
 高校生まで使って、わたしを別れさせたいんだ……。

 そのとき、わたしに抱きついていた美来ちゃんが、顔を起こした。
 わたしに、そっと耳打ちする。

「わたし、付きまといが多いからって、携帯持っているの。いま、おにぃと瑛太に、ここの場所を知らせたから」
「え?」

 わたしは、パッと希望の光をみいだした。
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