リフレインが聴こえない
昼休みになったとたんに、教室の入り口で、蒼くんがわたしを呼んだ。
わたしは、秋ちゃんに断ってから廊下に出る。
そのまま誰もいない中庭に出て、わたしと蒼くんは、並んでベンチに座った。
このベンチは、蒼くんに告白されたところ。
いまは、別れる話をするんだ……。
蒼くんが、口を開いた。
「ねえ、ここでぼくは、きみに付き合ってって、言ったよね」
「うん」
「ぼくがきみに告白したのは、きみが歌に興味を持ったからだよ。あれだけ歌に食いついたのに、ぼく自身には無反応だった」
「え……。そんなこと、ない。蒼くんは、かっこよくて、まぶしいくらいにステキで……」
わたしが口をはさむけれど、蒼くんは、続けた。
「それが気に入らなかったんだ。だから、歌以上に、ぼくにきみの興味を向けさせたかったんだ。でも、きみはずっと歌にしか興味がなかった。その歌を作ったのがぼくだと言っても、ぼく自身を見なかった。君の興味があったのは、どこまでも歌だけ。本能的に求めるって、本当にあるんだね」
「本能的……」
わたしは、秋ちゃんに断ってから廊下に出る。
そのまま誰もいない中庭に出て、わたしと蒼くんは、並んでベンチに座った。
このベンチは、蒼くんに告白されたところ。
いまは、別れる話をするんだ……。
蒼くんが、口を開いた。
「ねえ、ここでぼくは、きみに付き合ってって、言ったよね」
「うん」
「ぼくがきみに告白したのは、きみが歌に興味を持ったからだよ。あれだけ歌に食いついたのに、ぼく自身には無反応だった」
「え……。そんなこと、ない。蒼くんは、かっこよくて、まぶしいくらいにステキで……」
わたしが口をはさむけれど、蒼くんは、続けた。
「それが気に入らなかったんだ。だから、歌以上に、ぼくにきみの興味を向けさせたかったんだ。でも、きみはずっと歌にしか興味がなかった。その歌を作ったのがぼくだと言っても、ぼく自身を見なかった。君の興味があったのは、どこまでも歌だけ。本能的に求めるって、本当にあるんだね」
「本能的……」