リフレインが聴こえない
 舞いあがっていたわたしは、そのあと、どうやって家に帰ったかも記憶にない。

 中学校からわたしの家まで、歩いて五分。
 その短い道のりを、蒼くんは横に並んで送ってくれた。

 わたしは、ふわふわと家に入り、夕食の味もおぼろげで、お風呂もバスタブに沈まなかったのが奇跡よ。

 そして、ベッドにもぐりこんだあたりで、ようやく事の重大さに気がついた。


 わたし、生まれてはじめての彼氏ができたんだ!
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