リフレインが聴こえない
　友だちの秋ちゃんに、無事に説明ができたわたしは、ほっとしながらお弁当を食べ終わる。
　そんなわたしに、秋ちゃんは、心配するような目を向けて言った。

「でも、菜花ちゃん。これから大変かもしれないよ。いままで特定の女の子がいなかった紫月くんだけれど、ファンクラブがあるくらい人気者だから」
「う、うん。ファンクラブがあるんだ……？　そうか、そうだよね……」

　わたしは、ため息をつきながらうなずいた。

　蒼くんが、いろんな女の子に告白をしているなんてことはないってわかって、ひとまずわたしの心配ごとのひとつは消えた。
　でも、蒼くんに、ファンクラブがあるのは、ちょっと予想外だったな……。

　そのうえ、休み時間にやってきた蒼くんは、クラスメイトに付き合っていることを公言したうえで、わたしに放課後、生徒会室にきてほしいと伝えてきた。

　生徒会室に、なんでわたしは呼ばれたんだろう？
　いろいろ不安で、どきどきする……。
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