リフレインが聴こえない
「このひとが、彼女なの?」

 鈴を転がすような天使の声でそう言うと、彼女は大きな目をさらに見開いて、わたしをジッと見つめた。
 なんとなく、探るような視線だ。

 そうよね。不釣り合いよね。
 あなたのような可愛い女の子が近くにいるのに、わたしなんか、彼女に選ぶはずがないですよね。
 きっとなにかの間違いです。すみません!

 思わず謝ってしまいそうになるくらい、わたしは、この場にいるのが恥ずかしくなった。
 視線をそらせて、もうひとりの男子を見る。

 そして、どきりとした。
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