リフレインが聴こえない
「え? もしかして、聴こえているあいだに、歌っている相手を探せばよかったの? わたしってバカ!」

 なんていう、ふがいなさ。

 とてもみじめな気持ちになってしまったわたしは、そばの壁に頭をゴンゴン打ちつける。

「おお? 弓倉? なんだなんだ?」

 偶然、職員室から教室に向かう途中の担任に出会ったわたしは、どうにか教室へ連れていってもらえた。

 恥ずかしさでいっぱいになりながら、わたしは無事に、自分の席に座る。
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