リフレインが聴こえない

「わたしは黒鉄美波(みなみ)です。一年ですが、ファンクラブ副会長その２です」

　姿勢よく、眼鏡をくいっとあげながら口を開いた女の子は、ショートボブできりっとした顔立ち、いかにも頭が良さそうだ。

「わたくしたち三姉妹が管理している蒼くんファンクラブを、まさかあなた、知らないなんてこと、ないわよね？　蒼くんの彼女だなんて虚言、あなたはいったいどういうつもりかしら？」

　ずいっと三姉妹に囲まれて、わたしはどうしていいかわからなくなった。
　だって、本当に知らなかったんだもの！

　彼女たちの迫力におされて、わたしが一歩さがると、三姉妹も一歩踏みこむ。