リフレインが聴こえない
 わたしは、近づいてきた大神くんを、ぼんやりと見あげる。
 そんなわたしに、大神くんは冷たい目で見おろしてきた。
 そして、迫力ある口調のままで言った。

「おまえも、こうなることを予測しろよ」
「――いやいや、こんなこと、さすがに予測できないから……」

 弱弱しく言い返したわたしに、大神くんは、呆れたようにため息をついた。
 面倒くさそうに続ける。

「彼女たちの熱がおさまるまで、これからはクラスの仲のいい友だちと一緒に行動しろよ」
「うん……。助けてくれて、ありがとう」

 
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