リフレインが聴こえない
 焦るわたしが、なんて断りの返事をしようか迷っていると、縦ロール一花は、ギロリとした視線をわたしに向けた。

「困る? ハンデをもらう側のあなたが? 面白いことをおっしゃるわね」
「え? いえ、そういうことじゃなくて」
「約束よ。わたくしたちよりも点数が低ければ、蒼くんとの交際を、あなたからお断りなさいね。わかったわね?」

 一方的に言い切った縦ロール一花は、フンと顎をあげる。
 そして、妹たちを従えて、教室を出ていった。

 引き留められなかったわたしは、呆然とする。


 蒼くんとの交際と、学業って、まったく別のものじゃない?
 なのに、テストの点で争って、付き合う付き合わないを決めるなんて、おかしくない?

 本当にやめてほしい……。
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