リフレインが聴こえない
 食欲も一気になくなって、わたしはがっくり机に突っ伏した。
 秋ちゃんが、わたしを憐れむ目になって言う。

「あのファンクラブの会長って、学業が得意じゃないって言っていたけれど。それでも30番台だった気がするよ」
「え~?」

 わたしは、がばっと体を起こす。

「わたしたちと同学年の双葉は、それほどでもなかったと思うけれど、一年生の美波は学年トップだったんじゃないかな。あの三姉妹、いいところのお嬢さまだから、家に家庭教師を呼んで勉強しているって噂」
「あ~! なによそれ。それってわたし、負け試合じゃないのぉ……」

 わたしはどうしようもなくて、頭をかかえた。
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