リフレインが聴こえない
「ぼくもテニス部に入っているから、試験明けは、放課後の部活がはじまるけれど。菜花ちゃんも、放課後に貸し出し係があるんだろう? だったら、時間も同じくらいだろうし、一緒に帰れるね」
「――うん」

 照れながら、わたしはうなずいた。

 そうか。
 今日だけじゃなくて、これからも一緒に帰れるんだな。
 でも……。

 ふいに、わたしの脳裏に、ファンクラブ三姉妹の挑戦状がよぎる。
 とたんに、蒼くんが声をかけてきた。

「ん? 菜花ちゃん、どうしたの? なにか悩みごとがあるって顔をしているね」
「ええ? 蒼くん、するどい……」
「菜花ちゃんの表情が、とっても読みやすいと思うんだよね」

 そういって、蒼くんは笑う。
 わたしは、隠しても仕方がないので、白状することにした。
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