極上の愛に囚われて
「ここは……?」
車で一時間ほど走り、たどり着いたのはこんもりと木が茂る場所にある一軒の家だった。
ガーデニングが施された綺麗な広い庭。夕暮れの陽に当たる壁は白く、まだ真新しくみえる。
「ひと月ほど前に購入した別荘だよ。ここで、沙雪とゆっくり過ごしたいんだ」
彼が玄関を開けると、香しい木の香りが漂ってきた。
キッチン、リビング、お風呂、彼は一階の部屋を不動産業者さながらの説明をしながら案内してくれる。
いちいち感動しながら説明を聞く私を見て、彼がクスッと笑う。
「沙雪は可愛いな。ここを購入して良かった。寝室は二階に二部屋ある。こっちだ」
階段を上る彼のあとに続いていくと広い廊下を挟んだ両側に部屋があった。
「わあ、眺めもいいのね」