夜を照らす月影のように#4
そう言った彼は、どこかへと消えていく。

「待って……!!」

僕が彼を追おうとすると、アンデッドたちが僕に攻撃を仕掛けてきて、僕はその場から飛び退いた。

「……メルさん。アンデッド、何体いるか分かる?」

魔法銃を構えながら、エリカさんはメルに問いかける。

「…………千。千は、越えてる」

メルの口から出た予想外の言葉に、リオンは「そんなに……!?」と驚いた顔をした。

「でも、戦わないと……」

僕は片手に持っていた刀を構え直しながら言うと、メルは「そうだね」と頷く。

「行くよ!」

リオンの言葉に、僕はアンデッドに向かって走り始めた。



もう、どれくらいの時間アンデッドと戦ったのか分からない。

「大分、お疲れの様子だな」

僕が刀を振り上げてアンデッドを斬ると、僕らの目の前に、さっきの彼……カズさんが姿を現した。

「君は、さっきの……」

弓を片手に、リオンが僕の前に出る。刹那、カズさんは地面を蹴るとリオンに向かって蹴りかかった。

リオンはそれを避けると、弓を近くに投げ捨てて隙を狙って彼に蹴りを入れようとする。

「ノワール、下がってて。ここは、俺に任せて!」

「……分かった」

僕が素直に後ろに下がると、カズさんは「人の言うことを簡単に信用するな」と僕を見た。
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