死んだはずの遠藤くんが教室に居る話
次の瞬間。
頭の中で金属的な音が響き、心も身体も壊れそうになった。
それは初めて感じる殺人的な音で、自分の叫んだ声が聞こえなくなるくらいひどい音量だった。頭の中で音波が暴れてたまに起こる頭痛なんて比べ物もならない。なんて説明したらいいのだろう、母親がガスコンロの点火を誤った時に鳴り響くキーンとしたやつを何十倍もひどくしたような。ずーっと聞いていたら気が狂いそうになるような変な感覚だった。
それはほんの数秒たったのかもしれないけれど、止んだ時は血の気が引いて、身体が重くて上手にコントロールできず、ほとんどみんな膝から崩れて椅子から落ち、頭を抱えて女子は泣いていた。
あらためて遠藤くんを見上げると
「覚悟してほしい」
そう言い残し
すーっと消えてしまった。
同時に今日イチのパニックが僕らの教室にやってきて
カオスだった。