死んだはずの遠藤くんが教室に居る話
「あ、今はトロンボーン吹いてる」って、僕は担当の楽器を言う。
「えーっ。心機一転?上手かったのにー」
「うちの高校入ればよかったのに。吹奏楽レベル高いよ」
そんな言葉に不思議そうに北沢は僕を見ていた。
「ごめん急ぐからまた」と、僕は彼女たちをシャットダウンして先に進んだ。北沢は追いかけるように僕の後ろから付いて来る。
僕の町には僕が行ってるそこそこの公立高校と、設備のいい私立高校がある。
私立高校は部活に勉強に前向きでお金と理解があった。先生も校舎も良くて、今井みたいなガラの悪い奴もいない……って聞いたけど、それは入ってみないとわからない。
制服もブランド物だし、すれ違うと感じなくていい引け目を感じてしまう。
「アルトサックスだったの?」息が上がってる北沢に気づき、僕は歩くテンポを下げてゆっくり歩き出す。
「うん」
「先輩たちが使ってるから、余ってないもんね。来年チェンジしたら?」
僕を見上げて言う北沢はリス顔に磨きがかかり可愛かった。
「いや、トロンボーンもやりたかったし」
「……そっか。内田君トロンボーンも上手だよ」
「きーつかってる?」
「うん」
「おいっ!」
軽く小突くと「ひえーっ」と明るく返事が返った。
「えーっ。心機一転?上手かったのにー」
「うちの高校入ればよかったのに。吹奏楽レベル高いよ」
そんな言葉に不思議そうに北沢は僕を見ていた。
「ごめん急ぐからまた」と、僕は彼女たちをシャットダウンして先に進んだ。北沢は追いかけるように僕の後ろから付いて来る。
僕の町には僕が行ってるそこそこの公立高校と、設備のいい私立高校がある。
私立高校は部活に勉強に前向きでお金と理解があった。先生も校舎も良くて、今井みたいなガラの悪い奴もいない……って聞いたけど、それは入ってみないとわからない。
制服もブランド物だし、すれ違うと感じなくていい引け目を感じてしまう。
「アルトサックスだったの?」息が上がってる北沢に気づき、僕は歩くテンポを下げてゆっくり歩き出す。
「うん」
「先輩たちが使ってるから、余ってないもんね。来年チェンジしたら?」
僕を見上げて言う北沢はリス顔に磨きがかかり可愛かった。
「いや、トロンボーンもやりたかったし」
「……そっか。内田君トロンボーンも上手だよ」
「きーつかってる?」
「うん」
「おいっ!」
軽く小突くと「ひえーっ」と明るく返事が返った。