死んだはずの遠藤くんが教室に居る話
「お母さん。俊太になにかあったら。そいつが俊太を殺しに来たら。絶対絶対戦って勝つから!」
母親はそう宣言すると、父親が感心して「そんな映画の題名あったな」ってつぶやいた。
「映画?どんなの?」
母親が期待を込めて父親を見つめていたら「妖怪大戦争」って言って笑うので僕も笑った。
すると、母親は本気で怒って口を利かなくなり、乱暴に食事を終わらせ、自分の分だけ片づけてテーブルから離れてテレビの前にドスンと座った。
「お父さんが片づけます」
隣で反省しながらそう言うので僕はうなずいた。
あとはお父さんがご機嫌とって下さい。
「ごちそうさま」と、僕も食事を終えて自分の部屋に戻ろうとすると、父親に止められた。
「明日、学校休んでいいんたぞ」
真面目な顔で言われたので首を横に振る。
「どこにいても同じだし」
でも、寝てる最中には襲われなかった。
遠藤くんの気配はなかった……って熟睡していて気付かなかっただけかもしれないけれど、僕はまだ地獄じゃなくて現実世界で生活していた。
「信じられない話だけど、お父さんもお母さんも俊太を信じているし力になりたい。何でもするから言ってくれ。いつでも話を聞く」
その言葉はテレビ前の母親にも届いているのか、かすかに見える頭が縦に揺れていた。
「わかった」って僕は答えて、また階段を上って自分の部屋に向かった。
母親はそう宣言すると、父親が感心して「そんな映画の題名あったな」ってつぶやいた。
「映画?どんなの?」
母親が期待を込めて父親を見つめていたら「妖怪大戦争」って言って笑うので僕も笑った。
すると、母親は本気で怒って口を利かなくなり、乱暴に食事を終わらせ、自分の分だけ片づけてテーブルから離れてテレビの前にドスンと座った。
「お父さんが片づけます」
隣で反省しながらそう言うので僕はうなずいた。
あとはお父さんがご機嫌とって下さい。
「ごちそうさま」と、僕も食事を終えて自分の部屋に戻ろうとすると、父親に止められた。
「明日、学校休んでいいんたぞ」
真面目な顔で言われたので首を横に振る。
「どこにいても同じだし」
でも、寝てる最中には襲われなかった。
遠藤くんの気配はなかった……って熟睡していて気付かなかっただけかもしれないけれど、僕はまだ地獄じゃなくて現実世界で生活していた。
「信じられない話だけど、お父さんもお母さんも俊太を信じているし力になりたい。何でもするから言ってくれ。いつでも話を聞く」
その言葉はテレビ前の母親にも届いているのか、かすかに見える頭が縦に揺れていた。
「わかった」って僕は答えて、また階段を上って自分の部屋に向かった。