死んだはずの遠藤くんが教室に居る話
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次の朝
僕はまだ生きていた。
遠藤くんは来なかったのか。
寝ころびながら手を伸ばしてスマホを見ると、また信じられないくらいの未読LINEが並んでいる。
間違いなく見ないで終わりそうだ。
でも、もうひとつ
学校関係じゃない通知がひとつあった。
兄のLINEアイコンに通知がある。えっ?これって返事?あまりの驚きにベッドから跳ね起きて開くと、そこには【わかった】と、一行だけ書いてあった。
【わかった】……あっ!昨日の恥ずかしい告白だ!
あれしっかり聞いてくれてたんだ。嬉しいというか、恥ずかしい方の気持ちが今となっては大きいかもしれない。【わかった】ってゆーことは、顔を合わせて直接に話を聞いてもらえるってことだよね。
すごい前進。
僕の未来はないかもしれないけれど、一歩先の未来は明るい。
前向きな兄からのLINEに気分も上がり目が覚めた。ベッドから離れてカーテンを開けると青空が広がっている。今日も暑くなりそうだ。大きく伸びをして部屋を出ると、床にスマホぐらいの大きさの紙が置いてあった。
なんだろうと拾って見ると、火の上を踊っているようなクネクネした鬼が墨絵のようなイラストで書かれていて、その下に修学旅行のお寺でみた梵字が書いてある。裏にポストイットが貼ってあって、懐かしい綺麗な兄の字で【護符】と書いてあった。
兄が僕を心配してくれている。
僕は顔をにやけさせ「ありがとう」って、兄の部屋の前で声を上げて階段を下りた。