死んだはずの遠藤くんが教室に居る話
「目が真っ赤だよ」北沢に指摘されて「寝てない。ずっとみんなでLINEしてたから」って朝から泣きそうな顔で訴える。
「髪洗うのも怖くて、ばーちゃんの介護用シャンプー借りて洗ってた。アレってスゲーわ。水なしでしっかり洗えるんだぞ」
「ほぼ丸刈りなのに?」
「コンディショナー使ってるよ俺」
当然のように答える坂井に「やっぱり乙女」と北沢が笑った。
「俺たち恨まれて復讐されて地獄に落ちるんだぞ」
真剣な顔に「ごめん」と北沢が謝ったけど、坂井はムッとする。
すねた顔も乙女と思ったけど、言ったら怒られるから言わなかった。
そしてベルの音が鳴って少ししてから、担任が扉の野次馬を蹴散らして教室にやってきた。
それと同時に後ろの扉から遠藤くんもやってきて、自分の机を見て手でなぞってから自分の席に座った。
教室に重なる悲鳴はやっぱり僕たちだけの悲鳴で、姿が見えない担任は軽く舌打ちをする。
「静かにしろ。これから大切な話がある」
自分の目に見えないものは信じないタイプだな。昨日からの騒ぎに疲れた表情を見せ、日誌で教卓を叩いて叫ぶけど教室の騒ぎは収まらなかった。
「髪洗うのも怖くて、ばーちゃんの介護用シャンプー借りて洗ってた。アレってスゲーわ。水なしでしっかり洗えるんだぞ」
「ほぼ丸刈りなのに?」
「コンディショナー使ってるよ俺」
当然のように答える坂井に「やっぱり乙女」と北沢が笑った。
「俺たち恨まれて復讐されて地獄に落ちるんだぞ」
真剣な顔に「ごめん」と北沢が謝ったけど、坂井はムッとする。
すねた顔も乙女と思ったけど、言ったら怒られるから言わなかった。
そしてベルの音が鳴って少ししてから、担任が扉の野次馬を蹴散らして教室にやってきた。
それと同時に後ろの扉から遠藤くんもやってきて、自分の机を見て手でなぞってから自分の席に座った。
教室に重なる悲鳴はやっぱり僕たちだけの悲鳴で、姿が見えない担任は軽く舌打ちをする。
「静かにしろ。これから大切な話がある」
自分の目に見えないものは信じないタイプだな。昨日からの騒ぎに疲れた表情を見せ、日誌で教卓を叩いて叫ぶけど教室の騒ぎは収まらなかった。