死んだはずの遠藤くんが教室に居る話
「あと……2年前にお姉ちゃんが飼っていたインコを逃がしたのは僕です」
突然の告白に通訳係の大岸くんの動きが固まって口ごもる。
「たぶんお父さんのせいで解決したけど、本当は僕がやりました。アイスのチョコ味はいつも僕が食べてました。酔ったお父さんではありません。死んだ日もお姉ちゃんの高級アイス食べました。それは後から買いに行ってごまかす予定でした。お気に入りの雑誌の表紙を折ったのも僕です、でもそれはお姉ちゃんがソファの上にバサッと置きっぱに……」
「いや、俺、それ言いずらい……」
「でも言って」
きっぱり言うので、感動して泣いているお姉さんに大岸くんがそれを伝えると、お姉さんの涙は止まり、表情が消えてお地蔵さん顔になっていた。
遠藤くんのお姉さんは愛情いっぱいの人だけど
まじ怖い。
「えーっと……本当にみんなごめんね」
あらためて遠藤くんは僕たちに話しかける。
「もう二度と会えないけど、今までありがとう。昨日まで笑顔を見せていた人が、急にいなくなることもあるから、後悔しないで今を大切にしてほしい。北沢さん、言いずらい話をさせてごめんね」
最後に僕たちにそう伝えてくれた遠藤くんは、僕たちよりはるかに大人に見えた。
北沢が小さく首を横に振ったのを確認してから、遠藤くんは教室の後ろの扉を見つめて声を震わせた。
「僕も家に帰るよ。お父さんありがとう」
遠藤くんの目の先には、いつの間にか遠藤くんのお父さんが立っていて、涙を流して微笑んで手を振っていた。
遠藤くんのお父さんは、直接遠藤くんの言葉が聞けたみたいだ。
「なんでお父さんだけズルい」って、お姉さんは笑ってるのか泣いているのかわからないけど、教室に入って来た時とは真逆のスッキリとした表情をしている。
そして
僕たちの目の前に居た
遠藤くんは消えてしまった。
突然の告白に通訳係の大岸くんの動きが固まって口ごもる。
「たぶんお父さんのせいで解決したけど、本当は僕がやりました。アイスのチョコ味はいつも僕が食べてました。酔ったお父さんではありません。死んだ日もお姉ちゃんの高級アイス食べました。それは後から買いに行ってごまかす予定でした。お気に入りの雑誌の表紙を折ったのも僕です、でもそれはお姉ちゃんがソファの上にバサッと置きっぱに……」
「いや、俺、それ言いずらい……」
「でも言って」
きっぱり言うので、感動して泣いているお姉さんに大岸くんがそれを伝えると、お姉さんの涙は止まり、表情が消えてお地蔵さん顔になっていた。
遠藤くんのお姉さんは愛情いっぱいの人だけど
まじ怖い。
「えーっと……本当にみんなごめんね」
あらためて遠藤くんは僕たちに話しかける。
「もう二度と会えないけど、今までありがとう。昨日まで笑顔を見せていた人が、急にいなくなることもあるから、後悔しないで今を大切にしてほしい。北沢さん、言いずらい話をさせてごめんね」
最後に僕たちにそう伝えてくれた遠藤くんは、僕たちよりはるかに大人に見えた。
北沢が小さく首を横に振ったのを確認してから、遠藤くんは教室の後ろの扉を見つめて声を震わせた。
「僕も家に帰るよ。お父さんありがとう」
遠藤くんの目の先には、いつの間にか遠藤くんのお父さんが立っていて、涙を流して微笑んで手を振っていた。
遠藤くんのお父さんは、直接遠藤くんの言葉が聞けたみたいだ。
「なんでお父さんだけズルい」って、お姉さんは笑ってるのか泣いているのかわからないけど、教室に入って来た時とは真逆のスッキリとした表情をしている。
そして
僕たちの目の前に居た
遠藤くんは消えてしまった。