死んだはずの遠藤くんが教室に居る話
鍵を開けて家に帰った瞬間、一気に眠気がやってきた。
元気なはずなんだけど眠くて眠くて、本当に一度倒れたらそこで熟睡する自信があった。ふらついてぐらついと、とにかく眠い。なんだこれ、遠藤くんの呪いか?母親がパートでよかった。捕まってマシンガントークなんてされたら死ぬわ。
頑張って部屋に入ろうとする前に、ふらつきながら兄の部屋をノックして声を絞り出す。
「兄ちゃん、今日はありがとう。このお守り超強力って遠藤くん本人が言ってくれて自慢だった。悪霊に効き目あるんだって、でも遠藤くんには効かなかった」
素直に言ってアハハと僕は笑った。
死ぬ間際の遠藤くんじゃないけど、なんかハイになってる自分を危なく思う。
「今すんごく眠くてさ、遠藤くんの余波みたいなもんかな。無事解決したんだよ。とんでもない話で、今日は寝ちゃうけど、約束通り今日の話を聞いてほしいんだ。不思議な話で信じてもらえない話だけど信じてほしい。お父さんとお母さんにも聞いてもらいたいから、一気に家族会議的に話しちゃダメ?お母さんにはマスクさせて一言もしゃべらせないから……いや、絶対しゃべるか。今度……聞いてよね。じゃおやすみ」
こんなに兄に対して話すなんて、やっぱりハイだ。
僕はそれだけ言って部屋に入り
ベッドにダイブすると記憶がもう無くて……目を覚ましたら……次の日の朝の5時だった。