死んだはずの遠藤くんが教室に居る話
悲鳴に驚いたのか、隣のクラスの生徒たちがわらわらと出てきて、僕らの教室を覗き込んでいた。
「遠藤くんがそこにいる!」「幽霊が出てる!」
叫び声に近い言葉で僕らが他のクラスの生徒に説明しても、みんなキョロキョロと辺りを探すだけで、誰もうなずいてくれなかった。
まさか見えない?
いやちょっと待って
先生だけじゃなくて、みんなにも見えない?
「何やってるんだお前ら!」
授業を邪魔された隣のクラスの先生までも出てきて、数学教師に顔を向けるけど、逆幽体離脱終わりの教師は首を横に振り困った顔を繰り返す。
「先生は見えないの?」
女子が泣きながら説明しても、先生は「誰もいないぞ。遊んでないで授業に戻れ」と、自分の生徒を連れて隣のクラスに戻ってしまった。
「俺たちにしか……見えないのかな?」
ポツンとクラスで一番賢い大岸くんがそう言うと、僕らはストンとその言葉に説得されたように黙り込み、遠藤くんをみんなで見つめる。
遠藤くんは何も語らず、自分の席に座ったままだ。
「もう授業は終わります。担任の諸田先生に来てもらうから待っててね」
混乱している教室を見捨てるように先生は教室を出て行き、僕たちはそれを無視して遠藤くんを遠くからただ見つめていた。
「遠藤くんがそこにいる!」「幽霊が出てる!」
叫び声に近い言葉で僕らが他のクラスの生徒に説明しても、みんなキョロキョロと辺りを探すだけで、誰もうなずいてくれなかった。
まさか見えない?
いやちょっと待って
先生だけじゃなくて、みんなにも見えない?
「何やってるんだお前ら!」
授業を邪魔された隣のクラスの先生までも出てきて、数学教師に顔を向けるけど、逆幽体離脱終わりの教師は首を横に振り困った顔を繰り返す。
「先生は見えないの?」
女子が泣きながら説明しても、先生は「誰もいないぞ。遊んでないで授業に戻れ」と、自分の生徒を連れて隣のクラスに戻ってしまった。
「俺たちにしか……見えないのかな?」
ポツンとクラスで一番賢い大岸くんがそう言うと、僕らはストンとその言葉に説得されたように黙り込み、遠藤くんをみんなで見つめる。
遠藤くんは何も語らず、自分の席に座ったままだ。
「もう授業は終わります。担任の諸田先生に来てもらうから待っててね」
混乱している教室を見捨てるように先生は教室を出て行き、僕たちはそれを無視して遠藤くんを遠くからただ見つめていた。