溺れる遺伝子
ツバサの怒鳴り声があたりの静寂をやぶった。

一瞬やまびこのようにしてツバサの声が聞こえたかと思ったら、どこかで鳥が数羽飛び立つ羽音がした。


「ごめん…でも…ほんとのことだから…ちゃんと…」

「……。」


「私、絶対にうちの母みたいにならない。」

「……」

「喧嘩とか…そういうの子供のせいになんてしないし」

「……」

「絶対にしあわせな家庭を築く。運動会だって、学芸会だって全部行ってあげたい!!」








「……」





「…つ…ばさ??」
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