溺れる遺伝子
数分後に来たのはヒナの母親らしき人と妹、すずだった。

すずがすぐに母親に連絡してくれたらしい。


「ツバサくん…、ありがとね。」

ヒナの母親は頭をさげた。しかし、隣にいるすずは疑いの目でツバサを見ていた。


「ツバサくん…お姉ちゃんはもう大丈夫だから…ツバサ君も学校あるでしょ?…もういいよ。」

話しながらもすずはツバサの目を見ない。

…ヒナは…

…ヒナはこの子に……いったい何を話したんだろう……

焦りと不安の入り混じった感情にツバサは苛立ちを覚えた。
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