溺れる遺伝子
「ツバサ、珍しいじゃん。遅刻なんて…。」

私立の…名門とまではいかないけれどそこそこ有名な男子校。


もうすぐ受験生になることもあって、最近空気がぴりぴりしだしたが、ツバサは至ってのんびりとしていた。


クリスマス。

彼女がいるやつは幸せ者といわれる。
俺はその幸せ者になれたんだ……。

…優越感……。

少し前まではヒナを失うと思っていた。
けれどあいつは結構好意的で…。


「ごめんな……」

自然に言葉がでてきた。

これは誰に対しての…何に対しての言葉なのかもよくわからなかったが……

自分に対しての気もしないでもなかった。

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