溺れる遺伝子
なんだ…私…勝手に勘違いして……
…想像妊娠…だったのか…な。…なんだ……


想像妊娠。
なんて情けない響きの言葉だろう。そんな現象がまさか自分に限って起こるなんてね…。


「…ヒ、ヒナ…」

数時間後に、ヒナの親がいないことを確認してから方を縮めて病室に入ってきたのはツバサだった。

「大丈夫…じゃないよな…そんな……」



「ツバサ……」


「…ん?」


「妊娠して…なかったみたい……」

「……え?」


「想像妊娠、だったみたい……」

「……そ…うなんだ…」
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