溺れる遺伝子
不安だ…。
ツバサのことだから、余計…。

普段の時ならいいけど、機嫌が悪くなったときは、どうなるかわからない。


――そこまでわかっているのにヒナはツバサと別れようとは思わなかった。


…私には…ツバサが必要で…

…ツバサには私が必要で……


…だけど、ツバサが必要としているのは…
…人間としての私じゃなくて、オンナとしての私?…


…それなら、それでいいかな…

…私は…ツバサ以外の人から必要とされてなくて…

…ツバサに必要とされなくなったら…
…私がこの世にいる意味なんてなくなるから…


…ただの疎ましい存在だけで…
…空気を汚すだけの存在になるから…
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