溺れる遺伝子
なんとなくその場にいづらくなって、自分の部屋に戻ってみると、真っ白なノートとたいして面白くもない落書きが施されている教科書。
それに部屋着があたり一面に散乱していた。

…年が明けるときくらい片付けるか…。

親なり誰かに「片付けろ」といわれた時は従うのが奴隷のようでいやになって絶対に片付けない癖に、自分でやろうと思ったときは不思議なくらいできるものだ。

散乱した服の下からいろいろなものがでてくる。


貰ったぬいぐるみ…前に食べた覚えのあるお菓子のビニール。



…ツバサと撮ったプリクラもあった。



天井のカメラに向かって笑顔で抱き合っている二人。

顔をカメラに近づけてくっついている二人。

はにかむヒナの頬にやさしく口づけするツバサ…。


…あのころは…しあわせだったのかな…。

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