溺れる遺伝子
「ツバサ、やっぱりこの恰好はさすがにマズイよ」

「なんで?」

「だって、今日早速先生に呼び出され…」

「あのな、ヒナ。」


またしてもツバサが遮った。

「ヒナは人の目を気にしすぎなんだよ。それともヒナは自分ってものを持ってないのか?」

「……」


またまるめこまれてしまった。
ツバサの言葉は妙な説得力があるのだ。


ヒナは短くなった自分の髪の毛をいじりながら黙るしかなかった。
< 15 / 250 >

この作品をシェア

pagetop