溺れる遺伝子
「お姉ちゃん、…あそばない?おごるよ」

「結構です。」

「好きなものなんでも買ってあげるよ」

「…“好きなもの”?」


ヒナは振り返った。


「そしたらアンタ、私に幸せな未来をくれるの?」


スーツ姿の男は何を言われようが笑顔だった。
…『買い』に慣れているらしい。


「いいよ。カラオケでも行く?」

ヒナはスーツの肩に抱かれ、ネオンに消えていった。
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